
入場料:
一般 1,500円
大学生以下 1,000円
*入れ替え無し(一日いてもOKです)
ご予約は
https://forms.gle/JUCcCWjQxgSTG4Yh8

7/5(土)字幕DAY
12:00〜『望郷』(字幕版)
14:00〜『欲望という名の電車』(字幕版)
16:30〜『現金に手を出すな』(字幕版)
18:30〜『波止場』(字幕版)
7/6(日)吹替DAY
12:00〜『望郷』(吹替版)
14:00〜『欲望という名の電車』(吹替版)
16:30〜『現金に手を出すな』(吹替版)
18:30〜『波止場』(吹替版)
『望郷』Pépé le Moko
1937年/94分/フランス
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
脚本:アシェルベ(アンリ・ラ・バルト)
出演:ジャン・ギャバン/ミレーユ・バラン/リーヌ・ノロ
第2次世界大戦前夜のフランス領アルジェリア。流れ者が集まるカスバ地区の顔役ペペ・ル・モコは、警察の手から逃れ、ここに潜伏してもう2年にもなる。カスバは彼にとっては安住の地だが、同時に彼を外の世界から隔てる檻でもある。
ある日、パリから流れてきた美女ギャビーと出会い、ペペは祖国フランス、そしてパリへの郷愁を募らせていく。だが、警察も彼の逮捕を諦めておらず、ペペの逃亡生活は徐々に限界に近づいていくのだった。
後年、フィルム・ノワールやヌーヴェル・ヴァーグなど、フランス映画の流れを生み出していった「詩的リアリズム réalisme poétique」の傑作であり、名優ジャン・ギャバン、戦前の代表作である。
『欲望という名の電車』A Streetcar Named Desire
1951年/122分/アメリカ
監督:エリア・カザン
原作:テネシー・ウィリアムズ
出演:マーロン・ブランド/ヴィヴィアン・リー/カール・マルデン
劇作家テネシー・ウィリアムズが1947年、第二次世界大戦終結の2年後に発表した戯曲の映画化。舞台となった港湾都市・ニューオーリンズにあるDesire Street(欲望通り)を走る電車が、印象的なタイトルの由来であり、大戦後のガサついた登場人物たちの心象風景を象徴している。
当時のアメリカ社会の倫理観を逆撫でするようなセンセーショナルな描写が続き、戯曲からの映画化に際しては、一定の自主規制が行われてもいる。
主演のマーロン・ブランドは舞台版の主役からのキャスティング、相手役のヴィヴィアン・リーはロンドン版舞台からの抜擢。舞台版の演出であったエリア・カザンが、そのまま映画の監督も務めた。
そして『欲望という名の電車』が起点となって、後の演劇界・映画界に新風を吹き込むことになる「アクターズ・スタジオ」の創設につながっていく。
『現金に手を出すな』Touchez pas au Grisbi
1954年/96分/フランス・イタリア
監督:ジャック・ベッケル
原作:アルベール・シモナン
出演:ジャン・ギャバン/ジャンヌ・モロー/リノ・ヴァンチュラ
戦火を逃れて、一時期アメリカで活動していたジャン・ギャバンが、祖国フランスに戻り、新境地を見せた傑作。第2次世界大戦の終焉とともに、盛んに製作された「フィルム・ノワール Film Noir」の代表作の一つとされる。製作の中心となったアメリカとフランスは、映画人の交流を回転軸として、大いに影響を及ぼしあっていたが、その成果物が「フィルム・ノワール」「フレンチ・フィルム・ノワール」であり、やがて歴史的な映画の革命「ヌーヴェル・ヴァーグ Nouvelle Vague」へとつながっていく。
大ヒット曲「グリスビーのブルース」にのって、フランスらしい抑制と品位ある演出の効いたこの作品で、ギャバンは戦後のキャリアの「ギャングの親分」イメージを決定づけることになる。
また、新興勢力のギャングを演じたリノ・ヴァンチュラや、その情婦役ジャンヌ・モローが見せる存在感は、後の大活躍を予感させる。
監督ジャック・ベッケルは、師匠ジャン・ルノワールの詩的リアリズムを踏まえつつも、より現実的で簡素な描写を目指し、そのスタイルはヌーヴェル・ヴァーグの若きクリエイターたちの精神的な指標となっていった。
『波止場』On the Waterfront
1954年/108分/アメリカ
監督:エリア・カザン
音楽:レナード・バーンスタイン
出演:マーロン・ブランド/エヴァ・マリー・セイント/ロッド・スタイガー
冷戦が始まり、マッカーシズムによる「赤狩り」がハリウッドを蹂躙していく中で、着々とキャリアを積み重ねていたブランドが、4度目のノミネートで初のアカデミー主演男優賞を受賞した名作。結果的にマッカーシズムに加担してしまったエリア・カザンに憤怒の念を抱きつつも、ブランドはニューヨークの港湾労働者の間で巻き起こる犯罪や人間ドラマを、「アクターズ・スタジオ」によって確立した「メソッド演技」によって演じ切り絶賛された。(それでもブランド自身はこの演技を「自分の演技に深く失望し立ち上がって映写室から出た…大失敗したと思った」と語っている)
ブランドの兄役を演じた「アクターズ・スタジオ」出身のロッド・スタイガーも、この作品から第一線の俳優として活躍を始め、やがて『夜の大捜査線』(1967)でアカデミー主演男優賞を獲得することになる。
アメリカが誇る大音楽家、レナード・バーンスタインが音楽を担当(1955年アカデミー賞ノミネート)していることにも注目。