
6/8(日)~6/12(木)ジャン・ギャバン特集
『望郷』(吹替版・字幕版)
1937年/94分/フランス
『現金に手を出すな』(吹替版・字幕版)
1954年/96分/フランス・イタリア

6/8(日)
12:00~ 『望郷』(字幕版)
14:00~ 『現金に手を出すな』(字幕版)
16:00~ 『現金に手を出すな』(吹替版)
6/9(月)
15:00~ 『望郷』(字幕版)
17:00~ 『現金に手を出すな』(字幕版)
19:30~ 『現金に手を出すな』(吹替版)
6/10(火)
15:00~ 『望郷』(字幕版)
17:00~ 『現金に手を出すな』(字幕版)
19:30~ 『現金に手を出すな』(吹替版)
6/11(水)
17:00~ 『望郷』(字幕版)
19:30~ 『現金に手を出すな』(字幕版)
6/12(木)
17:00~ 『望郷』(吹替版)
19:30~ 『現金に手を出すな』(吹替版)
入場料:
一般 1,500円
大学生以下 1,000円
*入れ替え無し(一日いてもOKです)
ご予約は
https://forms.gle/61pgMPMr6HZYos3D9

『望郷』Pépé le Moko
1937年/94分/フランス
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
脚本:アシェルベ(アンリ・ラ・バルト)
出演:ジャン・ギャバン/ミレーユ・バラン/リーヌ・ノロ

第2次世界大戦前夜のフランス領アルジェリア。流れ者が集まるカスバ地区の顔役ペペ・ル・モコは、警察の手から逃れ、ここに潜伏してもう2年にもなる。カスバは彼にとっては安住の地だが、同時に彼を外の世界から隔てる檻でもある。
ある日、パリから流れてきた美女ギャビーと出会い、ペペは祖国フランス、そしてパリへの郷愁を募らせていく。だが、警察も彼の逮捕を諦めておらず、ペペの逃亡生活は徐々に限界に近づいていくのだった。
後年、フィルム・ノワールやヌーヴェル・ヴァーグなど、フランス映画の流れを生み出していった「詩的リアリズム réalisme poétique」の傑作であり、名優ジャン・ギャバン、戦前の代表作である。
『現金に手を出すな』Touchez pas au Grisbi
1954年/96分/フランス・イタリア
監督:ジャック・ベッケル
原作:アルベール・シモナン
出演:ジャン・ギャバン/ジャンヌ・モロー/リノ・ヴァンチュラ

戦火を逃れて、一時期アメリカで活動していたジャン・ギャバンが、祖国フランスに戻り、新境地を見せた傑作。第2次世界大戦の終焉とともに、盛んに製作された「フィルム・ノワール Film Noir」の代表作の一つとされる。
中心となったアメリカとフランスは、映画人の交流を回転軸として、大いに影響を及ぼしあっていたが、その成果物が「フィルム・ノワール」「フレンチ・フィルム・ノワール」であり、やがて歴史的な映画の革命「ヌーヴェル・ヴァーグ Nouvelle Vague」へとつながっていく。
大ヒット曲「グリスビーのブルース」にのって、フランスらしい抑制と品位ある演出の効いたこの作品で、ギャバンは戦後のキャリアの「ギャングの親分」イメージを決定づけることになる。
また、新興勢力のギャングを演じたリノ・ヴァンチュラや、その情婦役ジャンヌ・モローが見せる存在感は、後の大活躍を予感させる。
監督ジャック・ベッケルは、師匠ジャン・ルノワールの詩的リアリズムを踏まえつつも、より現実的で簡素な描写を目指し、そのスタイルはヌーヴェル・ヴァーグの若きクリエイターたちの精神的な指標となっていった。